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館長室の窓から <7>

館長より | 2016.05.05

 月日の経つのは早いもので、松濤美術館に勤務するようになってから4年が過ぎ、この4月から5年目に入りましたが、まさに光陰矢の如しを実感しているところです。
 ところでこの4年間で実施してきたことといえば、まず第一に32年ぶりに館内の改装をしたことがあげられるでしょう。空調や照明をはじめ、陳列用のケース、トイレ、絨毯などほぼ建物の内部に関するすべてを一新し、以前にも増して入館者の皆様にとって心地よい環境が整えられたのではないかと思っています。とくに、照明に関しては明暗の調整のみならず、色温度も変えられる装置をつけたことは特筆すべき点であろうと思います。
 次いであげられるのは、年間に5つの展覧会を開催する企画展の内容を前より幅を広げたことでしょう。2011年までの30年間に当館で開催してきた展覧会数は150回にも及んでいますが、その多くは近現代の美術展が占めています。これはある意味で松濤美術館の独自性を示したものといってよいでしょうが、展覧会の内容についてはいま少し柔軟性をもたせてもよいのではないかと思い、この2年位前からすこし趣きを変えた展観も行うようになってきています。例をあげると、2年前の2014年の春に開催した「ねこ・猫・ネコ」展では、39日間で2万5955人(1日平均666人)の入場者を数え、松濤美術館のこれまでの入館者の新記録となりました。また同じ年の秋に開催した「御法に守られし 醍醐寺」展では、これまでになく国宝・重要文化財の作品を数多く陳列し、なかでも奈良時代(8世紀)につくられた国宝の《過去現在絵因果経》については、全長約16メートルの全場面をはじめて展示し、注目を集めることとなりました。さらに昨年の8月から9月にかけて「スサノヲの到来 いのち、いかり、いのり」展と題する展覧会を行いました。日本の神様の中でもさまざまな面で、ある意味、特異な存在として知られるスサノヲをとりあげたこのユニークな展覧会が、終了後、美術館連絡協議会より美連協大賞を頂いたことはひときわ注目されました。
 いずれにしても、前述のように当館ではいままでの企画展とはいささか異なった内容の、しかも多くの方々に鑑賞していただけるような展覧会をつくりあげていくつもりでいます。とくに、区民の皆様の積極的な関わりを念頭に、前向きに進めていくつもりでいますので、よろしくお願いいたします。